■感想まとめ:Over  以前(12/24・1/4)、生放送で朗読したビジュアルノベル「Over」についての感想を軽くまとめた記事になります。  制作は蓄電組(http://lifestorageunion.ninja-web.net/)です。  蓄電組のホームページにはソフトウェアとしての掲載がありませんが、ベクターで探せばダウンロードできますので、そちらからどうぞ。 ●物語としての感想  ぶっちゃけ、読むことに必死で感想とか考えてなかったんですが。  導入である「現在」から、回想という形で順々に冬慈と香夏子に起きたことをなぞっていく、というスタイルの物語。転勤族ではない私には冬慈の苦しみというのがいまいちしっくり来なかったものの、"人を信用することを忘れてしまった"彼が、香夏子に"期待する、人を信用する"ことを見出していく序盤の構成はまさになるほど、と言ったところ。  中盤はあまり印象に残っていないので省略するとして、終盤、冬慈と香夏子が決定的に道を違えてからの求心力は確かなものだったと思う。「ここで配信切ったら明らかにKYすぎるだろjk」というのを差し引いても、続きが気になったのだ。仕方あるまい。  最後のシーンは、説得力半分、あっけなさ半分といったところだった。冬慈と香夏子は直接再会したわけでもなかったし、かと思うとあっさり冬慈は去ってしまうのだ。冬慈は今の香夏子と自分が求めていた香夏子はもう違ってしまったんだ、と結論付けたけれど、読み進めている間はすぐに首を縦には振れなかった。  確かに、私も中学時代に一度恋愛のようなものを経験したことがあったが、どちらかというとあれは恋人のそれと言うよりも相棒、あるいは戦友のような関係だったと今では思う。そんな関係が解消(いや、自然消滅か)してから優に5年は経っている。彼女は既に別の、きっと私よりいい人を捕まえていると聞いたし、私も彼女のことを積極的に思い返すことはなくなっている事を考えれば、ある意味状況は似ているのかもしれない。ここまで重ね合わせて、ようやく冬慈の結論に同意できた。……なんと回りくどい。  すとんと胸に落ちることはなかったが、確かに考えさせられる作品だった、ということで感想にしておきたい。 ●朗読という配信スタイル  書き出しからこういうのも何ですが、極めて身内向けだと思います。  そもそも私自身が朗読分野をかじったことがあるわけでもなく、自分でタイムシフトで通常のしゃべり方を聞くと声を張り上げているような感じで耳障りに感じるような状態でして、これは配信者の喋り方に慣れていない視聴者様方には結構きついんじゃないかな、と。  それ以上に、集客力の問題とかあるんでしょうけどここでは考えない。そもそも自分がやってることがニッチだ。 ●実際に朗読してみて 「開幕の固定秒数で文字送りすんのやめろォォォォォォッ!」 「終わりにも固定秒数で文字送りすんのやめろォォォォォォッ!」  ええ、最後をしっかり読み切るためにギャグになりましたとも。シリアスに重厚に読むべき文を徹底的に早口で読むハメになりましたとも。  さて、それはともかく。  今回は冬慈の台詞を読むにあたって意識して声を抑えたため、1回目の配信は本気で酸欠になりました。具体的に言うと両手足に軽い痺れと脱力を感じるレベル。意識して声を抑えた、と言うよりも息を多めに吐いた、と言うのが原因でしょう。  2回目の配信では気合いで3時間強持たせたため、かなりの疲労感が。こちらはあまり声を作らなかったこともあってそこまで痺れなかったのでしょう。(まあ、声を作っても大して変わらないのですが)  次やる時はまた別のスタンスでやると思います。 ●タイトル「Over」について  Love is overという部分から取ったのだと思いますが、劇中では「困難を二人で乗り越えていこうという願いが込められています」というフレーズにOverの言葉が使われていました。これはclimb over(乗り越える、という意味の英単語)から来たものと考えられ、要するにダブルミーニングですね。  劇中では先に冬慈と香夏子が別れていることが明示されていたので、私は茶番にしか見えなかったのですが。香夏子の行動がぶっ飛んでたのも間違いなくあったと思うけど。  やはり、全体としてはLove is overというOverなのだと思います。  一番最初に0verであることを疑ったのは公然の秘密というヤツですね。0verflow…